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「私、メリーさん。今どこにいますか?」
「……病院よ」
「よかった!」
「ごめんなさいね。死んでからも、迷惑かけちゃって」
「ううん。お母さんが生きてくれて、とっても嬉しい」
「貴女に、会いたかったの」
「私、ずっと待ってるから。寿命を全うしてから会いに来てよ」
「……そうね、そうするわ」
「うん!」
電話は切れた。
話についてこれていない医者と夫に向き直り、私は口を開いた。
さっきまであったことを全部、伝えるために。
信じてはくれないかもしれないので、これは私の自己満足だ。
私が、歩き続けるために必要なことだ。
私はスマホをポケットにしまって、道をまっすぐに歩く。
人生と言う長い長い道をまっすぐに。
歩いてたら、メリーさんに会えるんでしょ?
いつかきっと。
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