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 とりあえず警察を呼び、到着を待つことにした。 「ソースケ」  そっと声をかけるも、ソースケは虚ろな目をしたままごめんなさい、と呟き続けている。 「ソースケ、ソースケ!」  何度か肩を揺らしたところで、はっと彼は顔を上げた。  困惑した表情で私を見た後、泣き叫ぶ母親に目をやる。 「ママ!」  私を押しのけてソースケは女の元へ駆け寄った。 「ママ、ママごめんなさい、僕が悪いから」  泣きながらそう言うソースケを、私は何もできず呆然と見つめていた。  遠くから、緊急車両のサイレンが聞こえてくる。
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