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「これもまた戦略の一つなんだけどねぇ・・・。それに上手くいっただろう?君たち2人にとって最高の結果になったじゃないか。」
「それとこれとは違うと思う!それで俺だけ早乙女さんとデートするなんて何か納得いかないしっ。」
「そうか、そうか。じゃぁ、お互いの負けって事で碧くんは私とデートをする代わりに、私は君と約束した通り洋一くんの勉強のバックアップをするよ。これでどうだい?」
「は?ちょ、ちょっと待って下さいよ。早乙女さん、それってどうゆう事なんですか?」
「いやー、だからね。もし僕が負けたら洋一くんが大学に入り直す費用もその身の振りも全部面倒見るって事になってたんだよ。私の事務所でバイトもしてもらおうと思ってたしね。」
「そうだ、それならいいよっ。俺だけじゃなくて早乙女さんもちゃんと約束守るならおあいこだしね。」
満面の笑みでそう言う碧に”待った”をかけたのは洋一だ。
「いや、早乙女さんに借りを作るとこの先どんな無茶を吹っ掛けられるかわからないし、俺は遠慮しておきたい。それに大切な碧を早乙女さんとデートさせるわけにはいかない。この話、お互い負けならなかった事にすればいいんです。俺は自分の面倒は自分で見れますから。」
「ええー、俺早乙女さんとデートするぐらいどうって事ないって。洋ちゃん、絶対ここでコネ作っておいた方がいいって。」
「そうだぞー、今のうちに人脈広げておくのは得だぞー。俺が善意で言ってるうちに”うん”と言ったほうがいいぞー。」
その棒読み加減がまた不吉な気持ちになるんだって、とは碧の手前言えなかったが。
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