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────────── 自分の恋愛対象は女なのか男なのか、どっちなのかが曖昧で悩んでいた時期があった、その時に初めて結弦を抱いたあの日全てを理解してしまった·········· 葉流は女性とも上手く付き合う事も性の対象としても身体を繋ぐことも出来た。だけど、結弦を抱いたあの日の様に女性に高揚とした気持ちが持てず、他の男性は抱きたいとも思わない。 それは今でもだ。 結弦を抱いたあの日から、全ての感情が変わり 女性とはただの性欲処理と思えばセックスという行為はできた。 “結弦だけ”に感情を乗せられ高揚感が生まれ全てが結弦に─── 結弦に見合いの話をしたあの日から、数週間経つが結弦は何も言ってこなかった。それがただ辛くて苦しい感情が葉流の心に重く伸し掛る 「··········、結弦」 小さく呟く目の前の女性に届かないそんな声で。 首に腕を伸ばして絡められ求められ、キスをせがまれたが、何の愛情も無い女性とキスをするつもりは無い葉流は女性の腕をそっと外してベッドのマットレスに戻す 男性の結弦と違って、女性の身体は柔らかい感触で抱き心地も良いはずなのに心は結弦を求めていた。葉流は、結弦に見合いを否定して欲しかった気持ちを何の関係もないただのセフレである女性にぶつけた。 目をそっと閉じると、結弦との行為が思い出して 乗らない感情を、結弦を想像して無理に重ね合わせ女性を抱く 甘い声も全てが、結弦の声に変換させ 『、ぁ··········ン葉流··········』 快感を昂らせる 『あぁ、ぁん、葉流··········イク·········イく』 結弦の限界を迎える声が脳内で再生させ女性と共に果てた葉流は、自分を下卑た。 クズだと思った。 元々は女性から求められ誘われ、誘いに乗った葉流は自分の事を見下すように汚い感情が渦巻く。 「葉流、ありがとう。気持ち良かったよ」 ニコニコと笑う女性。 「もうすぐ、本命彼氏と結婚するんだけど·····」 散らばった服を拾い集めながら言葉を続けた 「葉流とのセックスの方が気持ちいいんだよね」 「これで、お前とは最後だからな」 「分かってるよ。結婚したらこんな事出来ないもん」 ホテルから出た葉流は溜息を深く吐く。
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