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私は封筒に書かれていた日にちに台本読みの場所へ向かった。初日だし好きな格好にしたわ。
お花が綺麗な噴水広場はデートの待ち合わせ場所として女の子の間では有名だからすぐに分かったけど、ちょっとドキドキしちゃった。
溢れ出る水に太陽の光が当たって噴水がキラキラしてた。こんな所で恋人と会えたら素敵よね。
ベンチに座っている姿を見た時、あっ!と思ったから迷わず彼に近づいた。黒いタキシードに黄色の蝶ネクタイだから最初は手品師かと思ったけど…それなら当然あるはずのシルクハットがない。
赤い封筒の人ですか、と尋ねたら、そうですって、にこっと笑ってくれた。あら…こんなに優しい顔をするのね。心が小さく跳ねた。今のは何?
ときめき?いいえ緊張よ。初対面だもの無理ないわ。私は顔が熱くなるのを無視して微笑み返したの。
「初めまして。一緒に、いいものを作りましょうね」
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