夏休みは過ちと言うなかれ 〜理性は保たれない〜

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※やんわりR表現あり。 ------------------------------------------------- 抱き締められた事に対して、どうしたらいいのか分からず、離れようともがけばもがくほど強い力が加わる。 その刹那、首筋に黒瀬の冷たい唇があたり発せられた言葉に耳を疑った。 「好きだ」 スキダ……? たった3文字が理解できない。 思考が一瞬停止し、もがく事をやめると黒瀬の大きな手が頬を触る。 (あぁ、綺麗な顔……) そう感じると同時に、唇を塞がれた。 離れるともう一度触れる。 今度は深く。 ぬろっとしたものが口腔内に入りこむ。 「っふ、ぁぅ……っ、やっ」 繋がれた唇からは卑猥な水音と小さい吐息が漏れた。 朱音の頬に添えていた手が移動し、頭を押さえる。 それでも深い口付けは終わらない。 制服の内側に入り込んだ黒瀬の手のひらが背中を撫でる。 「…っ、うう!?!」 体中の産毛が逆立ち、体の奥からぞわりとしたものが襲ってくる。 力が抜け、なんともえない感覚に怖くなり、黒瀬のワイシャツに縋った。 ………… 軽く触れたあと、もう一度唇を重ねにいった。 舌でこじ開け絡ませる。 彼女の歯並びを確認し、何度も角度を変え舌の動きを追っているうちに、もう何がなんだかわからなくなり、ただ気持ち良いという感覚だけあった。 ぶるっ、と彼女は震え、吐息のような声を漏らし離れていく頭に手を回す。 もう一方の手を細い腰に添える。 手の甲に髪の毛先があたり、くすぐったくて制服の内側へ滑り込ませる。 そっとキャミソールをまくり、地肌をなぞりながら汗と湿気でしっとりとした皮膚の感触のもっと上の方へゆっくりと進んでいく。 金属製の留め具を器用に外し、背中全体を手のひらで味わう。 「あぁ……、アッ、ぃやだ、ん、」 小さく漏れ出た朱音の言葉にハッとし唇を離す。 ッーっと2つの間を、どちらのともいえない唾液のすじが繋がってぷっと切れた。 息も絶え絶えに、荒く肩が上下する朱音を床へ倒すと乱れた髪に色白な肌を紅潮させ、涙目になっている姿にねっとりと視線を絡ませる。 罪悪感などないといえば嘘になる。 長年、想いを寄せていた身、ましてや健全な男子の欲望を抑えるのは難しい。 (もし、もしも嫌だともう一度言われたら……) 自分がこんなにも欲にまみれ、浅ましい人間だったとは。 彼女の胸元に顔を埋め、消え入りそうな声で伝える。 「…先輩を抱きたい…嫌なら、離れて」
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