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「ねぇ、たまには2人で出掛けたりしない?そろそろ赤ちゃんの物も準備しなくちゃいけないし」
「はぁ。休みの日ぐらいは好きにさせてくれよ。毎日仕事から遅くに帰って来て何も出来ないんだぞ!?だいたい妊娠前は好きにさせてくれていただろ!?」
声のトーンにドスが効いている。
苛立ちからの威圧…
「·····ごめん。でもね、私、ずっと我慢していたの。付き合っていた頃はそこまで気にはならなかったけど、今はもう結婚しているしもうすぐお父さんになるんだよ?お願いだからもう少し私や赤ちゃんの事も考えて優先して!?」
真の態度に苛立ち声を張り上げてしまった。
大きな声は出したくないし、感情的になんてなりたくはない。
だけど抑える事が出来ずに怒りの矛先を声という武器にのせて伝える他無かったのだ。
「俺が何も考えてないってのかよ!?」
そうだよと言いたくなったけれどその言葉をぐっと飲み込む私。
これ以上の言い合いは無意味だと知ってたから‥
「そうじゃないよ‥もういいよ‥」
気付いたら泣いていた。
泣けば真が余計にイラついてしまうと分かっていても涙を堪える事が出来なくて。
女の涙は同情を買うための道具なんかじゃないよ。
自分の心を守る為のカンフル剤みたいなものなんだよ…。
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