私のヒーロー

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私のヒーロー

 はぁー凄く緊張した。  でも、初めて正儀くんと話しちゃった。  今思い出しただけでも顔から火が出そうになる。  家に帰り自室に戻ると、ベットに飛び込み枕に顔を埋めさっきの余韻に酔いしれていた。  ふふ。私のヒーロー。  いつか私だけのヒーローになってくれたら……。  「なぁ~んてね。きゃーーー!」  私は幼稚園のときに犬から助けてもらって以来、ずっと正儀君の事が好き。  いつの間にか頭の中は正儀君の事でいっぱいになってた。  それにしても今日はビックリしたなぁ……。  まさかあの時と同じ犬に追いかけられるなんて……。 *  次の日の朝、私が朝食を食べていると、おじいちゃんが公園から帰ってきた。  「あれ?なんかいつもより帰るの早いね」  「それがなぁ彩愛の学校の制服を着た男の子が公園にいて運動を手伝ってくれたんじゃよ」  私は口を拭きリビングの窓から公園の方を見た。  その瞬間心臓が大きく揺れた。公園にいるのはヒーローを目指し自信に満ち溢れキラキラあの頃正儀君だ。  心の中でガッツポーズをすると、「知り合いか?」とおじいちゃんが訊いてきた。私は頭を振り「私のヒーロー」と明るく返した。 
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