一章

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ネオンが眩しい路地を通り人工的な灯りが辺りを照らす その無機質な道路を車で走っている 車内には僅かにボリュームが抑えられたラジオがかけられており今日のニュースを伝えていた ビルの隙間から僅かに斜陽が差し込みまるで眠らない街を 分断するように隔てていた 暫くすると高速道路から海が見えた 暗い海が街の灯りに染まってる それは見様によっては幻想的で、一時の現実を忘れさせてくれるのかもしれないと らしくない事が頭に過ぎる 「……観覧車、乗ったことある?」 隣の助手席で普段は無垢に笑っている飼い主が 今は都会の陰に浸りどこか微睡んでいるように見えた ただその瞳に映る光と匂いは、不思議と俺を安堵させる 「ない」 端的にものを言うのは、良いのか悪いのか 昔は情報の伝達が遅れると命に関わる そこに感情や余計な主観は要らなかった ただ武器であれ ただ駒であれ それだけだった 「………僕もないんだ。いつか乗ってみたい。そう子供の頃思っているうちに大人になってしまったよ」 今からでも遅くない。いつだって乗れる。好きにすれば良い 俺はそんな言葉しか紡げない こいつを傷つけないよう考えるうちに黙ってしまう なんとか言葉を発す まるで水底から浮き上がり、息をするように 「…観覧車。乗りに行けばいい。俺と」 片言のような情けない羅列 そんな言葉でもセシルはこちらを向いて運転している俺の横顔を見る そして微笑んだ 「うん!テオと観覧車乗りたい。約束だよ」 約束 なんて重く切ない言葉だろうか 「わかった」 それだけで十分だ 俺は目だけで車窓からの景色をまた見だしたセシルを 久しぶりの気分の良さそうな鼻歌を聴いて静かに運転をし 巨大な化け物のような街に 近づいていった 二日前 「どうした?」 洗濯機から服を取り出しカゴに入れリビングから庭先に出ようとした時だった ソファーの上で寝癖をつけたまま大きめのシャツから白い肌と鎖骨が剥き出しにしたままだらしない格好で手紙のようなものを読んでいるセシルがいた レースカーテンから柔かな日差しを浴びてまるで… いや、なんでもない らしくない考えをしたのは先日、絵画集の天使の微睡という本を読んだせいだろう 「はぁ…」 ピクッ… 真っ直ぐ立っている耳が音を聞き取った 通り過ぎたままの姿勢を変えて振り返る 「どうした?」 そう尋ねるとセシルはぼんやりと俺を見上げる 子供のような仕草に胸が不思議と波を立てる それを無視するように俺は片足をつく これで目線を上げるのが多少楽になるだろう 「んっとね……招待状が来たんだよ」 「招待状…」 何かに呼ばれたと言う事か 嫌なら行かなければいい と告げると少し寂しそうな笑みを浮かべまた招待状に視線を向けた それがなんだか嫌でゆっくりと、だが確実に奪える力で手紙を奪って中身を見る セシルはぽかんとしていた 嫌な匂いだ… 手紙から獣人には甘ったるく鼻に残る匂いと、材質は嫌味なほど上質な紙だった 中の文字はやはり、難しくて全ては読めなかった 「…すまない。勝手なことをした」 らしくないことをした 飼い犬の分際で身の程を弁えるべきだ 以前同僚……というのか奴隷として隣にいた奴が粗相をしたらしく酷い折檻を受けていた 歯が全部折れてものを噛めなくなり毎晩啜り泣く声がしたが、いつしかそれも聞こえなくなっていた 「テオ?…」 「ッ……なんでもない」 余計なことを考えた 思考を振り払うように一度顔を振る 心配そうな顔をしたセシルが目の前にいた いつの間にか距離が詰められていたらしい 普段なら絶対起こりえないことだった 「……」 「心配かけてごめんなさい。でも僕は大丈夫だよテオ。ただ知り合いに呼ばれただけなんだ。僕は人が多いのが苦手だから少し…躊躇したけど、行くよ」 俺の首に腕をまわし耳と耳の間の頭を梳くようになでるセシル その心地よさに無意識で頬を寄せた 落ち着く花のような香りが嫌な香りを上書きする セシルの香りが俺を癒した スッと、丁寧だが素早くテオが離れる その様子にセシルは驚きを感じたが見つめるだけで、名をつい溢れたように呼んだ だがテオの背後しかうかがえず、大きな尻尾を一振りして一言 「洗濯物、干してくる」 そう言って去っていった 体はとても大きいのに、とても背中が小さく感じられた 暫くぼうと微かに風によって擦れるレースカーテンの隙間からテオの後ろ姿と時折布を叩く音がした 自分で淹れた珈琲はとっくに冷めており セシルはキッチンに移動して、二人分のカフェオレを作っていた ▼ 場所に着くとナビを確認して降りる 降りるとピピッと音がした後、水が張るように魔力が車体に広がり防犯対策として機能していた その機能だけで数千万はしそうだと思い傷はつけられないと再度思った セシルは気にしていないのか知らないのか ピョンと飛び降り背伸びをして深呼吸した リボンがずれていたので直すとありがとうと感謝される 目的の場所に着くと黒服の人間が待機しており無言で促されて高いビルの入り口に向かった メタリックな装飾が眩しく そして街の中とも違う香料が建物内でした 懐かしい感覚だ まだ一月ほどしか経っていないのに自分の古巣が懐かしい ここはきっと以前いた欲望と自己顕示欲を満たしたい輩の巣窟だと俺は感じた エントランスは静謐としていてまるで無人のようだったが微かに匂いの残滓と気配を感じた 感覚を鋭敏にし、警戒して進む 受付に人の姿…いや獣人だな 薬品で匂いを誤魔化しているが獣臭い 神経質そうな男は形ばかりの笑みを携えて話しかけてきた 「いらっしゃいませ。招待状などお持ちでしょうか?」 「はい…」 緊張しているのか普段よりも小さな声でそう返すセシル 小さなショルダーバックから手紙を取り出し手渡そうとしたが俺がそれを取り男へと渡す 受付の男は症状を変えず受け取り確認する 「はい…。セシル様と…お付きの方ですね。ようこそ天望ビル『バベル』へ」 恭しくそう言って頭を下げて男は微笑んだ 「ではご案内いたします。何かお荷物などございましたら私どもへお預けください」 これは要人警護のための武器装備のことを言ってるのだと気づいた 「私は大丈夫です。これだけなので…」 小さな白いバックを持って困り顔でそう言ったセシル 「畏まりました。そちらの方は…?」 笑顔の裏にはきっと抵抗を許さない思惑があるのだろう もし武器を差し出すのを渋ったりしたら拘束されるか追い出されるのだとわかった 「……これだけだ」 腰に差してあるハンドガンをガンベルトから取り出して差し出す それを驚いた表情でセシルが見つめている 「……確かに。他にはございませんか?」 「これだけだ」 互いに無言で見つめ合う 「……わかりました。ではゲートへと案内いたします」 僅かに含みを感じたが従う 今日のために用意されたらしい家に送られてきた衣装のスーツの袖をクイっと引っ張られた 「ね、ねぇあれ本物?どこで拾ったの?」 おどおどとした様子でセシルが尋ねる 「拾った」 「う、嘘だぁ」 小声で話しながら歩き進める 四角い柱の合間を通り魔導式エレベーターにたどり着いた 途中にあったアーチ型のインテリアに魔術の反応を感じた きっとセンサー機能として設置されていて危険物を察知するためのものだ 以前似たようものを見たことがあった デザインでカモフラージュされた魔法陣が淡い光を放つ その際 男がチラリと俺を見たが無視をする きっと何か隠し持っていると疑っていたのだろう …俺は目の前の小さな頭を見下ろしながら、黒い鋼のブレスレットを軽く撫でた そして扉が閉まる ピィーーン 甲高い音がして到着を知らせる 「どうぞ。お足元をお気をつけください」 「はい…」 開いた扉から燦々とした灯りが俺たちを照らす 道を作るように出迎えたスタッフたちが一礼する 慌ててセシルが小さく頭を下げた こいつらは俺を見ていない わかりやすくて結構だ そっちの方がやりやすい 奥には派手な花飾りとシャンデリアがありパーティ会場の豪奢さを際立たせている 「大丈夫か?」 「う、うん……。ふぅ…すぅ…ふぅ」 緊張した様子で深呼吸をするセシル。まるで小動物のように小さくなっていた 「…ッ?」 俺は小さなセシルの肩を掴む 「安心しろ。俺がそばにいる」 安心させるためにそう言うと、キョトンとした後頬を赤くしてセシルはこくんと頷いた 「…僕のそばにいてね。テオ」 「ああ…」 二人だけの小さな確認をした 「ようこそいらっしゃいましたセシル様。ドリンクはどれになさいますか?」 「え、えっ と….」 「結構だ。俺が持ってくるのでそれは下げてくれ」 スタッフの一人が飲み物をすすめてきたが黄金色の液体の中を小さな泡が浮かぶシャンパンを俺は遮って断った セシルはアルコールは普段飲まないらしいし、この場では慣れてないなら悪酔いしてしまうだろう 「…他にございましたらなんなりと」 セシルを一瞥して一礼して去っていった 接客業なのにわかりやすい奴らばかりだ 獣人の俺は相手にしたくないらしい 「ごめんね。テオ」 「何がだ?」 近くのテーブルにあったリンゴジュースを匂いで異常はないか確認してセシルに渡す それを一口飲んで顔を俺に向けた 「居心地悪いよね。無理させちゃったと思って。僕の我儘で付き合わせてその、…偏見のある人たちの中に連れてきちゃってやっぱり申し訳なくて」 苦しそうにセシルは言う 二日前だった 「へ?着いてきてくれるの?」 「ああ。問題はあるか?」 端的にそう言うと、セシルは問題、問題かぁ…と言って唸る そして言いづらそうに口を開いた 「…主催者は知り合いだから、多分テオにしつこくしてくるかもしれないけど、客人の中にはその…嫌な事を言ったりする人もいるし、行かない方が」 「問題はない」 「でも、やっぱり僕はテオが嫌な目にあったりしたら、嫌なんだ」 俺の手を握って不安そうに言った 何故だか呼吸が少し、苦しくなった 「ならより俺がついていくべきだ」 「なんで?」 「そんな奴らが多い場所にお前を一人では行かせたくない」 セシルは一瞬驚いた顔をした後、嬉しそうに微笑んだ やっと笑った 胸が軽くなる 不思議だった 「心配してくれるんだね。嬉しいよテオ」 「現実的問題について考察したまでだ。お前一人では何か不慮の出来事があった場合、正確に対処できるとは思えない。その際俺がいれば問題に対する処理が可能でありお前の安全性の確率が上がる。何か問題があるか?」 「……君って」 「なんだ?」 「そんなことはたくさん話してくれるんだね」 「意味がわからない。問題に対する考察を述べたまでだ」 「ふぅーん」 「ん?どうした?」 俺の体の狼種の名残である肉球も揉みながら何故かセシルは不機嫌そうだった 珍しいので対処に困る 「別に。なんでもありませんよ」 「そうか。ならいい」 「朴念仁」 「なんだそれは?」 「機微がわかってないなぁ。そんなところも可愛いけどさ」 「可愛いとは?もしそれを俺に対して言っているならば、病院に行くのを進言する」 そのあと無言で毛並みを逆立てられたのでよくわからなかったが説得できたと思い俺は準備をした アタッシュケースと共に渡された連絡先に電話してあの羊の男に頼んだのだ 「有象無象になど興味もないし俺を害することもできない。飼い主であるお前さえ無事なら問題はない」 淡々と当然な事を言ったら 俺の人差し指をセシルな握って俺を睨む 幼い顔でされてもまったく効果はなくむしろ…なんなんだろうか 不思議な気持ちになる 「テオ」 「なんだ」 身長差がありセシルは見上げ、俺は見下ろす 「僕はテオが傷ついたりしたら嫌なんだ」 「……俺は傷つかない。しても問題は」 「あるよ。テオが悲しかったり傷ついたら僕は悲しいし、傷つく」 「…なぜだ。意味がわからない」 正直にそう思った なぜ奴隷で素性もわからない獣に、そんな… 「それはね」 その時だった もし遮られなかったら、これからの出来事は変わっていたのかもしれない 「アーハッハッハァ!!そこにいるのは我が宿敵と書いてライバル!セシルではないか!」 「「…」」 態とらしい大声で現れたのはセシルより頭一つ大きい少年だった 「おいそこのデカブツ!俺を少年だと思ったな!天誅」 ポコポコと腰を殴られるがノーダメージだった 「や、やめてよラセット!」 慌ててセシルがラセットと呼ばれた小童から俺を庇うように前に出る 「き、貴様!また良からぬ事を考えたなぁ!むかつくー!」 癇癪を起こしたように喚くラセットに俺はまさに子供だと思った 「俺はセシルと同い年だ!馬鹿者!」 「そうなのか」 「そうだ!謝れ!」 「謝る必要を感じない」 「な!なんだぁとぉ!!」 また暴れるラセットに俺は辟易した 「し、紹介するから落ち着いてよラセット」 「こんな失礼なやつ。別に」 「紹介したいんだ。ラセット」 真剣な声でそう話すセシルにラセットは黙った 「ふん。好きにしなよ!」 「ふふ。ありがとうラセット。こちらは僕の……家族のテオだよ」 「「家族?」」 「……」 顔が真っ赤なセシルだった 俺は以前奴隷で構わないと言ったがそれには頷いてくれなくて、今家族と紹介された ………………家族 「……こっちはラセット。ラセット・レザール」 「レザール?」 その名前には聞き覚えがあった そう、手紙の送り主の名前だった 仕立てのいいスーツに髪をセットした紅葉色の気の強そうな目の男が名乗る 「そう!俺こそは音楽界の寵児!鬼才!天才!ラセット・レザール様とは俺のことだぁ!驚いたか!サインはしてやってもいいがラセット様と…」 「そうか。よく喋るやつだな」 「こ、このやろ…」 ラセットが俺を睨みつける 「二人とも仲良くしてよもう」 「だ、誰がこいつなんかと」 「利点が見つからない」 「く、クソ犬」 「こらラセット!そんな言葉ダメだよ」 普段見る幼げなセシルではなく どことなく世話焼きの面が強くなったセシルに俺は内心驚いた それを黙って見つめているとセシルは俺の視線に気づいたのか、恥ずかしそうに目を伏せて俺のそばに寄った 「えっと。ラセット今日は招待ありがとう。あとテオのことも」 「別にそんなの感謝される事じゃない。同門の兄弟子が弟を気にかけるのは当然だ。……苦手なのによく来てくれた」 ピアノコンクールの大会の活躍を祝っての会らしい 自主開催とは恐れ入る 「いいんだよ。僕こそ…ずっと来れなくてごめん。いつも活躍してるの見てたよ。さすがはラセットだね。あと一番弟子は僕じゃなかったっけ?」 「お、俺が一番に決まってるだろう!せ、先生は俺を揶揄ってるだけだ。だよな?あとそんなことよりお前、大丈夫なのか?」 大丈夫、その言葉に複数の意味があった 無意識でセシルは手を強く握り込んだ 「お前は兄弟弟子であり、ライバルだ!お前が引きこもって余裕ぶっているとあっという間に俺は全世界で活躍する演奏者になるからな!だから……お前も出来る範囲で頑張れ。俺と先生が認めたんだ。じ、自信持ってもいいだろ」 不器用なのか そう励ますようにラセットは視線を逸らしながら言った 僅かに耳が赤い それを見てセシルも微笑んだ 「も、もういいだろ!ったく。お前らは好き勝手に飲み食いでもしてろ!俺が選んだレストランシェフだ間違いはない。あと…このビルのスタッフが気に食わないことしたら俺に言え。付き合いでこのビルを借りたが、気に食わない奴らだ」 そう悪態をついて給仕スタッフの持っていたドリンクを雑に奪って飲み干した 「ラセットは目立つことは好きでも付き合いのパーティーは好きじゃないもんね」 「当たり前だよ。何が楽しくてあんな奴らを招かねなければならないんだ。先生は先日映像通話でおめでとうの一言だし…嬉しけど。あとあの生意気な獣人を紹介されて雇ったがスーツがキツイとか言って破くしボディガードのくせにそばにいないってどう言うことだ!」 もう酔っ払ったのか?と思う二人を無視して文句を言うラセット 「ラセット様……モズトール伯爵がお見えです」 「……チッ。あとは任せる。また後でゆっくりとなセシル。…あとデカ犬」 「またねラセット」 「すまない。途中から聞いていなかった」 怒りながらもスタッフに連れて行かれたラセットを見つつ セシルはドリンクを飲んだ 「…何か食べるか?」 「…うん。せっかくだし。一緒に何か食べようか」 赤いテーブルの上に並べられた豪華な食事を見る 俺は皿を取りセシルに聞きながら食べ物をよそった なのにセシルも皿を取り手早く食べ物を取り分ける 「そんなに食べれるのか?」 「ううん。これはテオの分」 「….俺のことは気にするな。ここでは人間しか認められない。獣人に施しをしてては…もごっ」 喋っている途中なのに厚切りのローストビーフを口に突っ込まれた 乱暴なやつだ だが美味い 「僕はそんな差別も偏見も気にしてないよ。テオが傷つくのが怖いだけ。二人で来たんだから、二人で楽しもうよ。ラセットもきっとテオを連れていくのを認めてくれたんだからきっと大丈夫」 「….そうなのか」 俺はさらに乗ったミートボールをフォークで指し セシルの口元に寄せる それに気づくと嬉しそうに笑って口に含んだ 「!美味しい」 「良かったな」 俺たちを遠巻きにして冷たい視線を感じるがどうでもよかった それを遮るようにセシルの前に立ち話しながら食事を楽しんだ 暫くすると照明が消え会場の奥にライトが照射された 「本日はお忙しい中よく集まってくれました。ラセット・レザールです」 先ほどとは違い貴族の振る舞いで挨拶を始めた 挨拶を終えると後ろで布に隠された物が現れた それは一台のグランドピアノだった 演奏が始まるらしい 椅子に座り空気が変わる 片手を上げて静かに、鍵に指を乗せる そこから凄かった 静かでありながら激しく、繊細に紡がれる音はどこか切なく苦しく まるで燃える炎のようだった 俺はそれを聴きつつ 横を見る セシルの横顔は、どこか遠くを見ているようで 不安な気持ちなった 「……すげぇなぁ。あんな演奏できるんだな」 真横からそんな 投げやりのようでありながら感心したような感情を込めれた声をかけられた 独り言かと思って無視をしたら 「なぁ、そう思わねぇか?」 そいつは俺と同じ 獣人だった
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