いざ! 交戦

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いざ! 交戦

「智? 起きてるか?」 「は? 起きてるに決まってるでしょ。早くこっちおいで……」  そおっと音も立てずに部屋のドアを開ける蓮二さん。  毎回「起きてる?」なんて聞いてくるけど、起きてるに決まってるじゃん。こちとら準備万端だっつうの。なんでいつもそんなこと聞くんだろう。     蓮二さんの素っ気ない態度は通常運転。別に不機嫌ってわけじゃない。そりゃ付き合い始めは俺、何か怒らせるようなことしちゃったかな? って不安にもなったけど、このすました顔は蓮二さんのいつもの顔なんだって今はわかってるから大丈夫。  恥ずかしがり屋な可愛い恋人──  面倒臭そうな顔してても、始まってみれば蓮二さんは俺よりエロくてノリノリなんだ。最初の頃の初々しさはどこいっちゃったのかな? って思うくらい。 「ねえそれ、狙ってる? すごくエッチ」  部屋に入ってきた蓮二さんはなぜか俺のTシャツを着ていた。そう、Tシャツ一枚に下着だけ。いわゆる「彼シャツ」ってやつね。俺より背が高いのに体は細い蓮二さんだから、Tシャツから覗く脚とかチラッと見える下着のバランスが凄くいい。 「……間違えただけだ」  ふいっと顔をそらして俺の横にドスンと腰かけ「早くしろ……」と首に腕を絡めてくる。間違えたなんて絶対ウソ。表情一つ変えないくせに、耳を赤くして照れてるのが可愛すぎる。 「そっか……それ、Tシャツ俺のだかんね。脱がせるよ……」  シャツの中に手を忍ばせながら耳元で囁けば、「んっ」と小さく返事をして自ら万歳の姿勢をとり素直に俺の言うことを聞いてくれる。まだ何もしてないのに、下着の中の蓮二さんはしっかり芯を持ち、触れてくれと言わんばかりに主張していた。 「んっ……やっ、おい……長い……」  キスをしながら蓮二さんの体の線を堪能していたら、キスが長いと怒られる。絡まる舌や吸い付くような白くて綺麗な肌に触れるだけで俺は幸せな気持ちになるのに、蓮二さんはせっかちなのかいつも「早くしろ」と自分から下着まで脱ごうとするんだ。ムードも何もあったもんじゃない。いや、嫌いじゃないけどね、エッチなことはお互い楽しみたいじゃん。 「もう、待って! 俺にやらせてよ。逃げないで、触らせて。ちょっと? 何で自分で脱いじゃうのさ、もう……」  俺から離れ、早技で下着を脱ぎ捨てた蓮二さんは下に移動しかがみ込む。口でしてくれようとしてるのはわかるんだけど、それはもうちょっと待ってほしい。ずっと触れたくて我慢してたのは俺の方なんだから。 「いいの、ほらこっち来て……こんなに勃たせて、蓮二さんのエッチ」 「………… 」  凄い不服そうに俺のことを睨んでる。横になる俺の顔に跨がせると、上気した顔でそこを見せつけてくるから、そのままそっと咥え込んだ。膝立ちの蓮二さんは気持ちよさそうに腰を振ってくれる。俺に無理やりさせているくせに、ちゃんと後ろ手に俺の勃起したものも優しく扱いてくれる。いつもいつも面倒くさそうにするくせに、してみたらだいぶエッチな蓮二さん。   「先走り、凄い……いやらしいね。ここもいいでしょ?」  指先にローションを纏い、俺は蓮二さんの起立したそこに舌を這わせながら尻の割れ目に手を伸ばす。蓮二さんは俺がしたいことがわかったのか、ちゃんと指を受け入れるべく自ら尻を広げてくれた。
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