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人の居ない階段を上へ上へと上っていく。それと同じく、遠くから聞こえてくる音が少しづつ大きくなる。最上階の階段そばの講義室のドアを開ける。ピタリと音が止む。
「よぉ。で、期待の新人は？」
「勧誘してないのに、新人でもいだろ」
茶髪の友人がギターを抱えたまま近寄ってくる。ドアのせいで影になっていた後輩がひょっこりと出てきた。
「え、マジ？ 女の子？」
「先輩、話してなかったんですか？」
二人とも、他にもう少し言うことはないのか。
「自己紹介とサークル勧誘が先だろ」
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