理不尽で危険な隣人との戯れ

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理不尽で危険な隣人との戯れ

昼下りの教室で、殆どの生徒が帰る中、前列の席でいつまで突っ伏している少女がいた。 茉莉である。一昨日出歩いた事を後悔ているのである。 出歩かなければ化物にも襲われず、京香の元で働く必要もなかったからだ。 自分からやると言ったものの今更になって怖くなり、後悔しているのだ。 「とっくにホームルーム終わってるよ。まあ、学校にでも泊まる気ならそのままでも良いけどね」 いたずらっぽく茉莉の顔を覗き込むツインテールの少女は彼女の友人の瀬名 晶(せな あきら)である。 一月前の入学式で晶に話しかけられ意気投合し、その日の内に友人になったのである。 「晶ちゃん。私、死ぬかも……」 「え、どうしたの? 病気? それとも、誰か何かやられたの?」
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