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今までの経緯を話すと晶は考える素振りしていたが何か閃いたのか唐突に目を見開いた。
「多分、騙されたんだよ。霊能探偵なんて胡散臭いし、常識で考えて化物なんて居ないし、何か大掛かりな仕掛けで化物みたいなの作って倒してみせたんだよ」
そうに違いないといった口振りである。
今思えば確かに常識で考えれば化物なんて居ないし、京香が来るタイミングも良すぎたのかも知れない。
だが、あれが作り物だとは思えなかった。あの表情や笑い声が偽物だとは思えなかったのだ。それにそうだと分からない事が有る。
「そうだったとしても、どうしてそんな事する必要なんてあったのかな? いたずらにしては規模が大き過ぎるし」
「えーと、それは。茉莉の弱味を握って違法な事やらせる為だよ。刑事ドラマや小説だったら大体そうだから」
そこまで考えて居なかったのか自身のなさそうに晶は答え、鞄からルーズリーフを一枚取り出し何か書き出した。
「心配しないでも。これを霊能探偵だったっけ? その人に渡したら大丈夫だから。三日後くらいには安心出来るようになるよ」
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