理不尽で危険な隣人との戯れ

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どこからか取り出した封筒に先程のルーズリーフを折り畳んで入れると晶は笑顔で茉莉に手渡す。 「え、何書いたの?」 「ん〜、茉莉は知らなくて良い事かな。読んじゃ駄目だからね。でも、絶対効果有るから」 晶には悪いが手紙なんかで京香の気持ちが変わるとは思えなかった。 それを察してか晶は「大丈夫だから私を信じて」茉莉の肩をぽんぽんと優しく叩くのだった。 「ありがとう。何か本当に何とかなりそうな気がしてきた。行って来るね」 礼を言うと茉莉は教室の時計に目をやり慌てて教室を飛び出した。あまり遅くなり過ぎると京香に何か言われるような気がしたから急ぐ事にしたのだ。      「うまくいったらパフェでもおごってよ。……ま、失敗する事なんてないけど」 背後から茉莉に向かって呼びかけてから、ぼそりと晶は呟く。何かを確信している様な自信に満ちた顔しながら。
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