理不尽で危険な隣人との戯れ

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「遅れてすみませんでした」 京香の元に着いたの十六時半を少し過ぎた頃であった。 建物のドアをノックして顔を見せた彼女に茉莉は申し訳無い気持ちで深く頭を下げた。 「謝らないで良いよ。こうして来てくれただけで上出来さ。さあ、入って」 「あの、怒らないんですか」 「そんな必要有る? これぐらいの遅刻なら全然問題無いよ。学生さんが忙しいのは身を持って経験済だからね」 戯けた様に京香はドアを開け放したまま、建物の中に入って行く。 京香の後を追いながら悪い人ではないのかも知れないと茉莉は考えていた。 昨日と同じ様にソファーの有る部屋に通され、何をすれば良いのか茉莉が考えていると、唐突に京香に右腕を掴まれる。 「な、何をするんですか」 「別に変な事する訳じゃないから安心して。今から現場行くから妖かし除けのまじない書こうとしただけだよ」
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