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そう言うと京香は筆の様なものを取り出し茉莉の両腕と額に文字の様なものを書く。
何が書かれているか見ようとすると文字は茉莉の肌に染み渡る様に消えていく。
床が黒くなっていないのだから筆の墨が汗か何かで流れ落ちたのではない。
「ははは、良いねその顔。まじないに反応する墨でかいたんだ。適当な落書きなら消えないけど、まじない書くと見えなくなるんだ。効果は有るから安心して」
そう言うが早いか、京香は自分の手の甲に棒人間を書いてこちらに突き出して見せる。
「本当だすごいなあ。あ、もしかして、貴重なものなんじゃ……」
「まさか、その辺じゃ出回ってないけど子供のお小遣いで買える程度だよ。いくら私が金にがめついからって使用料なんか取らないから安心して」
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