理不尽で危険な隣人との戯れ

6/11
前へ
/21ページ
次へ
お金を要求されない事が分かり少しだけ茉莉は安堵していた。茉莉の中で昨日の会話で京香が金にがめついイメージが付いてしまっていたのだ。 「茉莉ちゃんにして欲しいのは私の補助、サポートって言えばイメージしやすいかな。最初は怪異を払う道具の手入れや、荷物運びをお願いしようと思ってる。直接怪異に触れるにはまだ心の準備が必要でしょ。怖い目には合わせないから安心して」 京香の笑みを見ていると、何だか調子が狂うような気がした。 京香は金の事しか考えていないと思っていたから優しく接してくれるとは思わなかった。単なる駒と思われ、無理矢理、化物退治に駆り出されるものだと思っていた。 だけど彼女は違った。自分の事を考えながら働きやすいように考えてくれている。 そう思うと頭の中の不安が晴れて行くようだった。 「私頑張ります。京香さんの為に」 「お、気合い入ってるね。まあ無理はしない程度に頼むよ」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加