退屈から最悪へ

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半ば諦めながら心の中で助けを願った。誰でも良い、助けてくれれば何でもすると。 「女の子の扱い方がなってないね。あんたモテないでしょ?」 顔だけをゆっくり動かし振り向くと、ハンチング帽を被った女性が片手で化物を押さえ付けていた。 「もうすぐ片付くから安心して。こいつどっかの山の主みたいなんだけど、自分が一番偉いと勘違いして楽しみで生き物を嬲(なぶ)り殺すクズ野郎なんだ。どうせ、こいつ消えても新しい主に変わるだけだからやっちゃうね」 何をやる気なのだろうか? など疑問が浮かぶ前に陶器が砕ける様な音がした。 化物の顔の一部が砕け散っていた。目の前の女性が化物の鼻辺りを握りつぶしたのだ 地鳴りの様な凄まじい叫び声が響く中、女性は涼しい顔をして化物のつる草の乗る頭を軽く小突く。 「こんなにみっともなく騒いじゃって。やっぱりモテ無いね君は。来世でやり直してきな」 次の瞬間化物の体は粉々に砕け散っていた。
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