退屈から最悪へ

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あまりにも短い間の出来事で茉莉は自分が助かったのだと直ぐには、理解出来なかった。 目の前の女性がいとも容易く化物を打倒した事実を受け入れられなかったからだ。 「あれをやっつけたんですか?」 感謝の言葉より先に思わず疑問が口から出てしまう。 「良かった口を利く元気が有るんだ。うん。あれくらいなら余裕で倒せる。伊達に霊能探偵はしてないからね」 明るい口調でそう言うと彼女は茉莉を抱き起こす。 「霊能探偵?」 探偵は知っているが霊能探偵なんて言葉は初めて聞いた気がする。化物を倒すのが仕事なのだろうか? 「まあ知らないよね……。後で話してあげるよ。今日はゆっくり休んで。帰れる?」 苦笑いを浮かべてから女性は尋ねる。 「はい」と答えようとしたが急に身体中の力が抜け茉莉は崩れ落ちる様に倒れる。 遅れて来た安堵に抱かれる様に茉莉は意識を失うのだった。 気が付くと茉莉は自宅のベッドの上にいた。
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