退屈から最悪へ

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朝日が少しずつ部屋の中を明るく照らしていく。どうやらあれから眠っていたのだろう。 体のあちこちに小さな痣や擦り傷がある所を見ると昨日の出来事は夢ではなかった様だ。 だが、どうして自宅に戻って来れたのか。それだけが分からなかった。 部屋のドアを誰かがノックしたかと間を空けずに中に入って来る。 部屋に来たのは母であった。彼女は茉莉の顔を見るなり目を釣り上げ鬼の様な形相をする。 「あんた夜中に何処に行ってたの!? 心配したんだからね!! 最近物騒なんだから夜に女の子の一人歩きは駄目だって何度言えば……」 「ま、待ってお説教なら後で聞くから。学校行かなきゃ」 「何言ってんの。今日は土曜日でしょ。まあ、良いわ。外で倒れてたあんたを運んでくれた人にお礼しに行かなきゃいけないしね」 そう言って茉莉の母は三千円と住所の書かれたメモ用紙を手渡す。 「お小遣い?」 「違うわよ。そのお金で菓子折り買って手渡して来なさい。あんたがお世話になったんだから、あんたがお礼しに行くのが筋ってもんでしょ?」
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