21 ブルーバーグ侯爵夫人side②

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 ガーデンパーティーが、レイニー王子殿下との引き合わせの場だったと知ったのは数日あとのこと。  ディアナちゃんもいろいろと考えるわよね。  フローラも結婚に夢も希望も抱いてはいない気配はあったけど、エドガーとリリアさんのことは祝福していた。エドガーとはうまくいかなかっただけで、他の人ともそうだとは限らない。結婚そのものがイヤというわけではないでしょう。 「フローラもいつかはお嫁に行きますわ。現に学園を卒業したら結婚式の予定でしたでしょう? それが少し遅くなっただけですわよ」 「それは……そうだが。それはわかってるんだよ」 「わかっているのであれば、よいではありませんか?」 「だが、王子殿下の妃にとは考えていなかった」  そうですわね。一度お断りした時点で結婚は消えてしまった。消滅した以上二度目があるなんて思いませんものね。 「何が不満なのですか?」  普通は王子妃に選ばれたら名誉なことだと喜ぶべきことでしょう。王子妃になりたくてもなれない令嬢がたくさんいるというのに、それを喜ぶどころか嘆くとは。 「フローラと会えなくなるではないか」  まあ、まあ。そんなにムスッとした顔をなさらなくても。せっかくのハンサムなお顔が台無しですわ。それはそれで味があってよろしいですけど。
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