30 公爵家のお茶会にて

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 若草色のドレスに身を包み口元には扇子を持つ姿はとても優雅で公爵令嬢そのもの。にこやかな微笑みを湛えたビビアン様に少々面食らいながら見つめてしまいました。  学園ではお見かけはするものの話したことはありませんでした。ですから、親し気にニコニコと話しかけられると戸惑ってしまいます。 「しょうがないわねえ。フローラ、いいかしら?」  ディアナが仕方なくといった体で私に同意を求めます。もしかして彼女と知り合い? 「え……ええ。どうぞ」  この場で断る理由もないので頷きました。 「そういえば、フローラ様は初めてでしたわよね。あっ。お立ちにならなくてもよろしいわ」  ビビアン様に挨拶をするために立ち上がろうとした私を制すると 「わたくし、シュミット公爵家の娘ビビアンと申します。これから、仲良くしてくださると嬉しいわ」  軽く礼を取り自己紹介をして下さいました。 「私はブルーバーグ侯爵家の娘フローラでございます。こちらの方こそよろしくお願い致します」  私は立ち上がるとカーテシーをして挨拶を返しました。  ビビアン様は座ったままでと言われましたけど、あちらは公爵家、私よりも爵位は上ですものね。
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