30 公爵家のお茶会にて

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 私にだけ挨拶をされたからディアナとは知り合いだろうと見当はついたのだけれど、幼馴染も昔馴染みも意味はそんなに変わらないのでは……  区別をつけたがっている気持ちは初対面の私にはわからないわ。  公爵家は王族との縁も深いから、マクレーン伯爵家と交流があっても不思議ではありませんものね。  王太子妃であるアンジェラ様は、お茶会の主催者であるローシャス公爵家出身。  ユージーン第二王子殿下は、デルパール公爵家の令嬢と婚約。  ディアナは、ハイスター公爵と婚約。  四大公爵家の内、三家は王族と縁談がまとまっています。 「親しくするのもほどほどの方がよいわよ。何事も距離感が大事ですからね」 「距離感?」 「そう。彼女は一言でいうと困ったちゃん、なのよね。扱いやすくもあり、扱いづらくもあり……」  なんとも曖昧な忠告。  そんなに厄介な相手なのかしら?  私と違ってそつなく人付き合いもこなせているディアナでも苦手な相手がいるなんて。思わず、まじまじとディアナの顔を見てしまったわ。
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