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「いろんな人がいるわよね。まあ、いつものフローラで大丈夫よ。わたしもいるしね」
ディアナは肩を竦めてうっすらと笑みを浮かべました。
これは心して対応しないといけないかもしれないわ。ちょっと、身構えつつ待っているとトレイを抱えたビビアン様がやってきました。
目の前に下ろされたトレイにのっていたオレンジ色の飲み物が目に飛び込んできました。
こ、これは……ブラックオレンジでは⁈ しかもグラスのふちには、くし形に切られた果肉が添えられています。これは……贅沢な使い方。
陽が沈む前の夕日ような濃い茜色、普通のオレンジとは違う色味を称してブラックオレンジと言われています。味もオレンジの何倍も濃厚で糖度も高く甘みも強い。それに栽培方法が難しいために希少価値が高いため、お値段のも高くなかなか手に入らない果物です。
濃厚な味なのでそのままストレートではなく、ミネラルウオーターやソーダ、氷等で薄めて飲むのが通常とされています。我が家でもお目にかかれるのは滅多にありません。
やっぱり、公爵家。
大勢のお客様を招待したお茶会で普通に提供されるなんて……すごいわ。
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