30 公爵家のお茶会にて

31/35
前へ
/774ページ
次へ
「わたしがさっき言ったことはあまり気にしないで。あくまでも私見だから。必要以上に気構えたりしなくてもいいと思うわ」  私の気持ちを察してくれたのでしょう。  ビビアン様の性格を把握しているようなディアナの言葉に、ホッと胸を撫で下ろしました。ディアナが言うのだから、きっと大丈夫なのでしょう。 「お待たせ致しましたわ」 「どうってことないわよ」  ビビアン様は特に気にする風もない様子です。お皿の料理が半分ほどなくなっているので、食事をして待って下さっていたのでしょう。  ディアナは待ち人がいることなど忘れたように、料理をじっくりと見て回っていて、私は時々ビビアン様の方を窺いながら、いくらなんでも待たせすぎではとハラハラしてディアナにつきあっていました。  ビビアン様は鷹揚な方だったようです。  さっきのディアナの発言と容姿がきつめに見えるので、ちょっとドキドキして身構えてしまいましたが。
/774ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3397人が本棚に入れています
本棚に追加