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大判のショールに体をすっぽりと包まれてレイ様と体を寄せ合うと、段々と温かくなってきました。ぽかぽかとした人肌の温もりが心地よくて、なんだか瞼が重くなって……
「ローラ。起きて」
遠くから私を呼ぶ声。
「ローラ。朝だよ」
誰?
もう少し、温もりの中に包まれていたいのに。
そう思うも、聞き覚えのある声に意識が浮上し、うっすらと目を開けた途端、一気に目が覚めました。
私、今、寝ていた……?
「申し訳ございません」
レイ様の肩に寄りかかっていた体を慌てて起こしました。人前で寝るという失態を見せてしまった私は羞恥で顔が真っ赤になり、頭があげられません。
なんでこんな時に寝てしまったの。
レイ様に寝顔を見られるなんて……
ああ、恥ずかしい。このまま逃げ出したいくらい。
逃げてもいいかしら。
「そんなに慌てなくてもいいのに。ごめんね。気持ちよさそうだったから、このまま眠らせてあげたかったんだけど」
今すぐにでも退散しようと隙を窺っていることなど知らないレイ様は、すまなさそうに私の乱れた髪を梳き、整えてくれます。
頬に触れた手にドギマギしながらも、それどころではありません。
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