31 王族の責任

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 今日の朝食は四阿でした。  着替えを済ませるとレイ様がエスコートしてくださいます。  陽が昇ってしまえば、明け方の寒さはどこへ行ったのかと感じるくらいの暖かさ。昼頃にはもっと気温も上がってくるでしょう。  時折、爽やかな風が頬を撫でるように通り過ぎて行きました。  外で朝食を取るのも気分が変わっていいものですね。  レイ様と談笑しながら食事を終えると、ついでだからと庭園を散歩しました。  蛍を鑑賞した時とは少し様変わりした庭の様子に目を向けながら、足を止め川の様子を眺めたり家族の増えた魚の群れを観察したり、新しい花や植物を発見したりと楽しいひとときを過ごして、西の宮へと戻りました。  いつもの部屋でホッと一息ついていると 「ローラおねえちゃーん」  今や聞きなれた名前を呼ぶかわいらしい声が聞こえます。  開け放たれた扉から勢いよく飛び出してきたのは、やはり予想通りリッキー様でした。 「いた」  私の姿を見つけたリッキー様は喜び勇んで抱き着きました。
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