31 王族の責任

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「廊下を走るんじゃない。誰かにぶつかったら危ないだろう」  二人の様子を見れば想像はつきますものね。  お説教モードに入ったみたいです。レイ様の眉間にしわが寄っていますわ。  リッキー様はレイ様が怖いのか私の後ろへと隠れてしまいました。顔を半分出してレイ様の顔色を窺っているようです。 「リッキー。隠れるんじゃない。前に出てきなさい」  レイ様は真剣に怒っているようです。そんなレイ様に恐れをなしたのか、サッと私の後ろに隠れてしまいました。   「レイお兄ちゃん。怖い」  涙声? 後ろを振り返るとぐすぐすと泣いているように見えました。 「リッキー様……」  私はかわいそうになって膝を折るとリッキー様の手を握りました。レイ様の言い分は正しいと思うので異論はありませんが、怒鳴られたら誰だって委縮してしまいます。 「リッキー様。レイ様の言う通りですわ。廊下は走るものではありませんし、人が行きかうところですから、ぶつかって怪我をしたり、物が壊れることもあり得るのです。ですから、注意しましょうね」  私はリッキー様に目線をあわせて、なるべく穏やかに話しました。
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