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「うん。ごめんなさい」
しゅんとして目線を落としていたリッキー様が顔を上げてくれました。ちゃんと話せばわかってくれます。
「はあ……。わかったのならいい。あとエイブをおいてくるな。一緒に行動しろと言われているだろう? 忘れたのか?」
まだ、終わっていなかったようです。
リッキー様がビクッと肩を竦めて私の手をぎゅと握りました。
レイ様は鬼の形相でリッキー様を睨んでいます。
「ごめんなさい」
リッキー様も心当たりがあるのでしょう。今度はすんなりと謝りました。
「お前は次期王太子なんだ。一人になることは許されない。それがたとえ王宮でもだ。もしもお前に何かあった時に一番に罰せられるのはエイブや護衛たちだ。そこもよく考えろ。子供だからは俺たち王族には通用しない。リッキー、わかったか?」
「うん」
容赦のない叱責に私の身も震えました。リッキー様も反省しているようですから、今後は無茶な行動はなさらないでしょう。
王族の責任。
レイ様も同じような気持ちで日々を過ごしてこられたのでしょう。周りは空気だと思えっておっしゃいますものね。私には到底そうは思えませんけれど。責任ある地位にある方はそれが常なのでしょう。
プライベートがないのはとても窮屈なときもあるでしょうに。王族とはとても大変ですね。
私は一貴族でよかったです。
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