31 王族の責任

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「やだ。ローラおねえちゃんがいい」 「ローラだって、読みたい本があるんだ。邪魔をするんじゃない」  確かに、本は三冊持ってきましたけども…… 「ローラおねえちゃんと勉強するの」 「勉強は昨日存分にしただろう。十分じゃないか」  そうでした。  いつもより一時間ほど長くなりましたが……それもリッキー様の意欲の表れ。私も嬉しくてつい時間を延長してしまいました。  その分、レイ様とのお茶会が遅れてしまったのですよね。  そのせいかわかりませんけれど、スキンシップがいつもよりも長かったような。なかなか離してくださいませんでしたから。   「もっと、勉強したいの」 「根を詰めるのはよくないぞ」  レイ様。  学習意欲を削ぐようなことをおっしゃらなくても……  小さい頃の吸収力は物凄いものがあると思うので、もちろん、詰め込みすぎはどうかとは思いますが、うまく好奇心につなげていけば、より良い学問習得に繋がります。  レイ様は色々と心配しての発言だとは思いますが。 「あの……」  二人のにらみ合い、もとい、押し問答が続く中、思い切って声をかけました。
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