32 ディアナside④

2/18

3362人が本棚に入れています
本棚に追加
/774ページ
「まずは、一口飲んでみてちょうだい」  甘酸っぱい香りと紅茶の瑞々しい香りが胸いっぱいに広がって、体の中に染み渡るよう。  ティーカップの中には数種類のドライフルー入っている。フルーティーな紅茶は飲んだことはあるけれど、果物が入っているものは初めて。 「この紅茶、見たこともない斬新なアイデアでビックリしましたが、とても美味しいですわ」 「ふふっ。これはフルーツティーと呼ばれるものよ。今日はアプリコット、イチジク、オレンジ、クランベリーにブルーベリーのドライフルーツをブレンドしてみたのよ」  わたしの驚く顔が予想通りだったのかシャロン様が、満足そうに目を細めて説明をしてくれる。   「紅茶にフルーツの味が染みて爽やかな味わいですわ。このフルーツは食べてもいいのかしら」 「もちろんよ。小さいものはスプーンですくって、大ぶりのフルーツは小皿に移して、切り分けて食べた方がいいわね」  干したフルーツが紅茶の水分を吸って、大きくなって瑞々しさを取り戻している。ブルーベリーを口の中に入れて味わう。紅茶と溶けあった果物もなかなかいけるわ。 「美味しい。フルーツだけでもお腹いっぱいになりそう」 「ちょっと、小腹がすいた時や休憩時に頂くのもよいかもしれないわね。今、アトリエの方でも流行っているのよ。その日の気分でブレンドするフルーツを決めたりして楽しんでいるわ」 「それにしても、このアイディアはどこから?」
/774ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3362人が本棚に入れています
本棚に追加