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「それはもちろん。喜んで参加させていただきますわ」
思いつきで始まったというお店も現実になったようでよかったわ。
フローラの開発した商品も売り出されるということだから、今回の件は長期的に見ても、テンネル家はかなりの損失になるのではないかしらね。
シャロン様が紅茶を注ぎ足してくれた。
白い湯気が立ち上るカップを眺めてわたしは一人笑みを深めた。
二人で紅茶を頂きながら和やかな雰囲気を取り戻した頃。
「奥様、お嬢様がお帰りになられました」
人払いされた部屋にノックの後に入ってきたのは、執事のバート。
「フローラが帰ってきたの?」
もうそんな時間?
シャロン様の声に合わせるようにわたしは窓に目を向けた。
外は明るいわよね。青空が見えるわ。
レイニーと夕食を取って帰ってくると聞いていたのに。あのレイニーがこんなに早くフローラを放すとも思えないのだけど……
想定外の出来事に、わたしたちはお互いに顔を見合わせた。
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