32 ディアナside④

13/18

3361人が本棚に入れています
本棚に追加
/774ページ
「レイ様もそう言ってくださったのだけど、やっぱり、お仕事の邪魔になるのは申し訳ないと思ったから……」  レイニーのことだから、かなり引き留めたのではないかしら。  でも、しょうがないわね。たまには引くことも大事よ。 「そうなのね。たまにはそんなこともあるわ。せっかく早く帰ってきたのだから、今日はゆっくりと過ごしたらいいと思うわよ」  フローラもワーカホリックな所があるから、身体を休めることも必要よ。 「そうよ。そうしなさい。部屋でゆっくり休むといいわ」  シャロン様も同意してくれる。 「でも、ディアナが……」 「わたしなら気にしなくていいわよ。勝手に来たんですもの。適当な時間になったら帰るわ」 「そうよ。ディアナちゃんはわたくしが相手をするから大丈夫よ。あなたはゆっくりしなさい」  わたしの顔とシャロン様の顔を見つめた後、答えが出たのかフローラのスッキリとした声がした。 「はい。それでは、お言葉に甘えて温室に行ってきます。それから、研究室で残っている資料のまとめをしますので、お母様、よろしくお願いします。ディアナ、ここで抜けちゃうけれど、ごめんなさい」  素早く席を立ったフローラは風のように部屋から去って行った。  ゆっくり休めと言ったのに。  ワーカホリック。こんな時は行動が素早いのね。
/774ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3361人が本棚に入れています
本棚に追加