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「レイ様もそう言ってくださったのだけど、やっぱり、お仕事の邪魔になるのは申し訳ないと思ったから……」
レイニーのことだから、かなり引き留めたのではないかしら。
でも、しょうがないわね。たまには引くことも大事よ。
「そうなのね。たまにはそんなこともあるわ。せっかく早く帰ってきたのだから、今日はゆっくりと過ごしたらいいと思うわよ」
フローラもワーカホリックな所があるから、身体を休めることも必要よ。
「そうよ。そうしなさい。部屋でゆっくり休むといいわ」
シャロン様も同意してくれる。
「でも、ディアナが……」
「わたしなら気にしなくていいわよ。勝手に来たんですもの。適当な時間になったら帰るわ」
「そうよ。ディアナちゃんはわたくしが相手をするから大丈夫よ。あなたはゆっくりしなさい」
わたしの顔とシャロン様の顔を見つめた後、答えが出たのかフローラのスッキリとした声がした。
「はい。それでは、お言葉に甘えて温室に行ってきます。それから、研究室で残っている資料のまとめをしますので、お母様、よろしくお願いします。ディアナ、ここで抜けちゃうけれど、ごめんなさい」
素早く席を立ったフローラは風のように部屋から去って行った。
ゆっくり休めと言ったのに。
ワーカホリック。こんな時は行動が素早いのね。
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