32 ディアナside④

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 ローシャス公爵家のお茶会の後、フェリシア様とお会いしたのだけど、フローラの美しさに驚いていらっしゃったもの。ブルーバーグ侯爵家は貴重な宝玉をお持ちねと賛美していらしたし、年齢が釣り合えばリチャードの妃に欲しかったわなんて、冗談も飛び出していたけれど。  フェリシア様がフローラのことをとても気に入ったことはわかったわ。  なんといっても次代を担う王太子妃を輩出した筆頭公爵家ですものね。味方につけておいて損はないわ。フローラ本人はそんなこと爪の先ほども思わないでしょうけれど。 「これも、レイニーのおかげかもしれませんね。なんやかんやといっても、彼と会うのを楽しみにしているみたいですものね」 「やはり、そうなのかしら? 今までよりも更に熱心に勉強するようになったのよね。本人はリチャード殿下のためだと言っていたけれど。忙しいときは分刻みで動いているもの。だからと言って苦痛な様子はなくて、むしろ楽しそうにやってるわ」 「リチャードね。フローラにとってはいい口実になっているのかしら。かわいいわね」  勉強好きなフローラらしい。相乗効果というのかしら? その様子が目に浮かぶようだわ。  リチャードの語学学習は来年からの予定だったのを前倒しして今年に早めたのよね。来年以降の教師は決定しているから、今年は教師を探す予定はないので決まらないのは当たり前。  それにしても、フローラが教師が務まるほどの語学堪能でよかったわ。
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