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「レイニー殿下とは、その……どうなっているのかしら?」
一人心の中でニマニマしていると、シャロン様が恐る恐る窺うような目で聞いてくる。
それよね。
いいお付き合いをしているのはフローラを見ていればわかるわ。仲が進展しているかと言えば、それはなさそうよね。よくて良いお友達程度。レイニーは違うけれど。
「フローラから聞いていないのですか?」
「あの子は何も言わないわね。こちらから聞き出すこともなかったから。楽しそうであることは見て取れるけれど、それ以上はわからないわ」
「それが答えなのではないですか? たぶん、今の現状では何か報告するような仲ではないということでしょうね」
「やはり、そうなのね」
がっかりしたようなやきもきするような複雑な顔つきでそっと溜息をつくシャロン様。
気持ちはわかるわ。
レイニーの心は決まっているようだから、サクサクと話が進むかと思ったけれど……そうはならず。
もっとグイグイ押せば、フローラだって絆されるでしょうに。
はたから見ていてもレイニーに好意を持っているのはわかるのよ。
だから、もう少し頑張ってほしいわ。
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