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サッサと告白して婚約して、それから仲を深めていく方がよいと思うのよ。頃合いを見計らっているのかもしれないけれど、なんかじれったいわ。
ちょっと、ハッパをかけに行って来ようかしら?
「ディアナちゃん。実はね、フローラに縁談の話がちらほらとあるのよ」
「えっ?」
フローラに縁談?
思いがけない話にわたしは目をぱちくりとさせて、シャロン様を見つめてしまった。
「先日、ローシャス公爵夫人のお茶会に出席したでしょう? そこでフローラを気に入って下さった方もいらっしゃったらしくて、釣書がいくつか届いているの」
「それで、返事はどうされたのです?」
「一応、今のところ保留にしているわ。このことはフローラは知らないの。でも黙っておくわけにもいかないだろうから、話をするつもりではいるわ」
シャロン様は心を落ち着けるようにか、少し冷めてしまった紅茶を口に含んだ。
「縁談が来るのは有難いことよね。どんな理由があっても、一度婚約が壊れると次を見つけるのは難しいと言われているものね」
世間一般ではそうでしょうけれど……
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