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33 レイニーside②
「殿下。ディアナ様がお会いしたいとのことですが、どういたしましょう?」
急な来客の用事をすませて、脱力してしていたところにまた来客か……しかも、ディアナとは。
ほんとうなら、今頃はフローラとお茶したり散歩したり、色々な話題で盛り上がって楽しく過ごしているところだったのに。
帰さなきゃよかったな。
仕事とはいっても急を要するような案件はなく、俺でなくても対処ができるものばかりだったし、そんなことより、何故だか娘の自慢話を聞かされてうんざりしてしまった。
気が滅入っている時こそフローラに会いたいな。あの笑顔に癒されたい。フローラを抱きしめたい。
彼女のふわりと温かい笑顔を思い浮かべて、ほっこりとしていると
「レイニー殿下。入っていただきますが、よろしいでしょうか?」
さっきより強い口調で聞いてくるセバス。俺が返事をしないから焦れたのだろう。俺はセバスを一瞥して
「ああ」
仕方なく頷いた。
ここで断ったところで強行突破してくることは目に見えているからな。今は会いたい気分ではないけれど、言う通りにしておいた方が無難だろう。
しかし、急に何の用なんだ?
どんなに頭をひねっても、ディアナの訪問の理由がわからない。まっ、いいか。聞けばわかることだ。
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