33 レイニーside②

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 彼女は伯爵令嬢で身分的には王族より下のはずなのに、小さい頃から王族と交流があるせいなのか、独特な雰囲気を纏っている。  さかのぼれば王族との婚姻が多い血筋だから、そのせいもあるかもしれないが。逆らわせない、何かを持っているのは確か。敵に回せば怖いだろうなというのは、なんとなく感じるものな。 「ところで、この部屋もいつの間にか華やかになったのね」  飲み物を口にして落ち着いたのか、ディアナは辺りを興味深そうに見回している。  モノトーンでまとめていた部屋は、壁面に絵画が飾られて生花が彩りを添えている。以前に比べれば部屋の雰囲気が全然違う。  エルザたちがフローラ様がいらっしゃるのに、あまりにも殺風景で味気なさすぎると嘆くものだから、彼女たちに任せたらこんな部屋になったのだ。  一つ一つ増えていく飾りの小物も目を引くようで、瞳をキラキラさせながら眺めているローラが可愛くて。彼女も喜んでいるようだから、このままにしているけれど。 「白百合の花。清楚で奥ゆかしくてとてもきれいだわね」  花瓶に生けられた白百合は早朝にローラと一緒に庭園から摘んできたものだ。  そう言えば、帰りにお土産にと渡すつもりだったのに、来客のどさくさですっかり忘れてしまっていた。とても楽しみにしていたから次に渡せるといいな。 「ん?」  ローラの顔を思い浮かべて気分を良くしているとディアナの視線を感じた。
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