33 レイニーside②

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「なに?」  俺をジーと見つめる彼女の瞳が好奇の色を湛えてるように見える。 「いえ。ニヤけた顔をしていたから、何を考えていたのかしらって思っただけよ」 「……何も考えていないが……」  小さく咳ばらいをしつつ、緩んでいた顔を引き締め平静を装おう。いつの間にか自分の世界に入り込んでいた。まさか、ローラのことを考えていたなんて、口が裂けても言えない。恥ずかしいじゃないか。 「そう。それにしてもどんな心境の変化なのかしら? モノトーンの部屋からカラフルな部屋に変貌するなんて何かあったの?」    「い、いや。何もないが……」 「……」  無言で見つめないでくれないか。心を探られているようで居心地が悪い。  部屋の変貌はローラが原因だとは言えないし言いたくない。 「まあ、良いことよね。無機質で殺風景だった部屋よりかは温かみがあってよいと思うわよ。ぜひこれを維持してほしいものだわ」  意味ありげな笑み。何が言いたいんだ。  元のモノトーンだって悪くはなかっただろう、好みの問題だろうに。ユージーン兄上の部屋も木目調が基本なだけで、物も少ないし飾り立てていないし、俺の部屋とそんなに変わりはないぞ。  何を言いたいのだろうか。笑みをたたえて紅茶を口にするディアナをジッと見つめる。   「ところで何の用事で来たんだ?」
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