33 レイニーside②

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 俺のことは無視なのか?   きちんと説明してほしい。そう口に出そうにも誰も俺のことなど気にしていない。みんなローラの手作りのお菓子のことに夢中になっている。  何も話すことはないとばかりに部屋から出て行こうとしたディアナが、はたと俺の方へと振り返った。目が合った。何か言いたげな瞳。  まさか、このまま帰ったりはしないよな。この際だから、はっきりと説明してくれ。奥歯に物が挟まったような物言いは妙な憶測を生むじゃないか……    「……ディアナ」 「レイニー」  ゴクリと唾を飲み込んだ。聞く準備は出来ている。 「一言、言っておくわね」  俺は大きく頷いた。 「いい? 今回のフローラのお菓子は忙しい時間を割いて、わたしのために作ってくれたものなのよ。それをわたしがレイニーにも分けてあげたの。わかった? フローラからではなくて、あくまでも、わたしの好意であなたに分けてあげたのよ。勘違いしないでね」 「……」 「それでは、ごきげんよう」  ディアナはにーこりと微笑むと見事なカーテシーをして部屋から去って行った。  訳がわからず、この状況をどう納得すればよいのか……真意を掴めず、呆然と立ちつくす俺。  いやいやいや、違うだろう。  ディアナ、お前は一体……何しに来たんだー。
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