33 レイニーside②

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「その必要はない。俺のことは気にしなくていい。好きにやってくれ」 「そうですか。ではそのように」  今にも立ち上がってすぐにでも片付けそうな雰囲気を醸し出すセバスを制した。腰を浮かせかけていたセバスは再び椅子に座り直す。  セバスの声にこちらを注視していた他の者たちも俺の言葉に安心したのか、元の空気に戻っていった。  俺の好物のピスタチオのクッキーを感慨深く己に都合の良いことを考えつつ眺めていただけで、食が進まないと見えたのは心外。  それにしても、侍従達、護衛騎士達、侍女達とそれぞれのグループで話が弾んでるようで、こちらに見向きもしない。時々、侍女が立ち上がってお茶のお代わりにテーブルを回る。  ガラス一枚張られているような隔たりを感じる。いつもならみんなでワイワイと楽しくお茶を飲んでるはずなのだが。奇妙な空気感……  温度のない空気に包まれている俺と側近達のわちゃわちゃとした賑やかさとは雲泥の差。  いつもとは違う雰囲気に戸惑いながらも気づかれないように大きく息を吐く。
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