3359人が本棚に入れています
本棚に追加
/774ページ
「それにしても、さすが王都一のカフェですわね。ケーキの種類も飲み物もたくさん。どれも食べてみたくて選ぶのが大変ですわ」
メニュー表のページをめくりながらディアナがはしゃいでいます。いつにもなくテンションも高いわ。隣に座った私は彼女に倣うようにメニュー表を手に取りました。
確かに種類が豊富だわ。これだけのレパートリーを常に準備しているなんてすごい。職人さん達も優秀なのね。サンドイッチやキッシュなど軽食もあるのね。
「フローラ、決まったかしら? どれにする?」
不意にディアナの声。
「あ、あの……まだ」
メニューを一つ一つ見すぎて、選ぶのを忘れていたわ。
「いっぱいあるものねえ。わたしは諦めたわ。ここはビビアン様に選んでいただいた方がよさそう」
「ええ、そうね」
このままでは食べることより、カフェ経営の方に意識がいってしまうわ。ここはディアナの言う通りビビアン様に任せた方が安心ね。
「そうよね。初めてだと迷いますわよね。わかりましたわ。わたくしが選んで差し上げます」
ドンと任せないとばかりにビビアン様が胸を張ります。
店員を呼び寄せると注文を始めました。
最初のコメントを投稿しよう!