34 波乱の予兆

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 手慣れた様子に行きつけというのは伊達ではないのでしょう。店員の恭しい態度からも彼女の身分を十分弁えているよう。よく教育されているようだわ。 「楽しみね」 「そうね」  ビビアン様の様子を眺めていると隣に座っているディアナが耳打ちをしてきます。思わず経営者モードの自分を打ち消すように、軽く相槌を打ってディアナに微笑みました。  今日はお茶を楽しみに来たのだから、仕事の事は忘れないと。  注文が終わり店員がいなくなるとたわいないおしゃべりが始まりました。  学園でのできごとや最近の流行など話題は次から次へと変わっていきます。ビビアン様の話術も大したもので感心するばかり。私はといえば話について行くだけで精一杯で頷くだけ。というか、ついていけてないわ。  話のテンポが早すぎて会話に入っていけない。自分の知らない話題はチンプンカンプンでなおさら入って行けず、だからと言って強引に会話に入ることもできず。結局は、聞き役に徹したのでした。  二人の会話を遠巻きに眺めながら話を聞いているうちに、お待ちかねのケーキが運ばれてきました。  それぞれの皿には種類の違う小ぶりの三種類のケーキ。 
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