34 波乱の予兆

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「それから、あんなことになる前にもっと早く婚約者に釘をさすことはできなかったのかしら? もしくは浮気相手に牽制をするとか忠告をするとか。なんでも未然に防げる方法があったはずですわよ」  次から次へと出てくる教訓の数々。  終わってしまったことを今になってあれやこれやと方法論を聞かされるのか訳が分からず、ビビアン様の声が頭の上を通り過ぎていきます。  下を向き時々頭を下げながら黙って聞いているそばで、ほんのり甘い匂いが漂ってきました。  横に視線をずらすと見えたのは乳白色のホットミルクが入ったとても品の良いマグカップ。  いつ注文したのかしら? 気づかなかったわ。  先ほどとは違う皿にはチョコレートケーキが二個。こちらは普通サイズ。チョコがコーティングされているものとチョコクリームがたっぷりとサンドされたもので両方とも結構なボリューム感。      意識がディアナに向いている間も話は続いています。  入るのかしら? 私はもうお腹いっぱいなのだけど。  そんな私の心配をよそにディアナはケーキを食べ始めました。
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