34 波乱の予兆

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 そして、あからさまに感情を露わにすることなく、しかも理性的に考えて否定することなどせずに、ディアナの言葉に同意する。二人共臆することなく堂々と意見を述べる。  さすがだわ。尊敬に値するわ。  なかなか思ったことを口にできない私とは大違い。 「その見解をふまえて、今一度言いますわね。やはり、お互いの爵位に相応しい結婚をする。これが一番だと思うのです。それが二人の幸せにつながる道だと思うのですわ」 「ビビアン様のその意見には賛成致しますわ。なんといっても爵位は大事ですし、つり合いが取れている婚姻こそが最良でしょう」  二人は目を合わせると、にっこりと微笑み合いました。  やっと折り合いがついたようです。  私の婚約の話題のせいで険悪な雰囲気になるのを恐れていましたが、丸く収まったようでほっと胸を撫で下ろしました。   これで完結終了したと安易に考えていたのですが、事態はあらぬ方向へと転がっていくのでした。
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