34 波乱の予兆

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「そうですわよね。そういえば、ビビアン様の婚約者様はお決まりになったのかしら? わたしも友人として心配しておりますの」  優雅に扇いでいた扇子がピタッと止まりました。ディアナを見遣るとスッと真顔になったビビアン様。温度が一気に冷えて時間が止まったような気がしましたが、それも一時の事だったかもしれません。  扇子を閉じる時のピシッと小気味のいい音が聞こえたと思ったら 「心配してくれてたのね、ディアナ。でも、心配には及びませんわ。相手は決まっておりますのよ」  片手を頬に当て恥じらいながら頬を染めるビビアン様。   「あら、いつの間に? 聞いてませんでしたわ」 「ごめんなさい。まだ、教えられませんの。そうですわね、近いうちに発表されると思いますわ」  誇らしげに声高らかに宣言するビビアン様。  
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