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「そうなのですね。その時を楽しみにしておりますわ」
「わたくしのお相手を楽しみにしておいて。フローラ様、つり合いの取れた相応しい結婚というものがわかると思いますわ。高位貴族であっても、傷物令嬢には到底手が届かないお方ですのよ。フローラ様も相応しいお相手を見つけて下さいませね。何事にも分相応というものがありますもの」
「……」
「ビビアン様、少し言葉が過ぎますわ」
「あら、そうだったかしら? 一般論を言ったまで。だって、婚約を破棄された傷物令嬢にこれからまともな縁談は来ないかもしれないでしょう? ですから、高望みしないように忠告したまでですわ。自分の立場をわきまえれば、相応の縁談も期待できるかもしれませんものね」
あんまりだと思ったのか咎めるディアナをよそに、悪びれた様子もなく賛辞を並べるがごとく悪態をつくビビアン様。
何故にこんなに標的にされているのでしょう。
理論武装でビビアン様に対抗することが出来ない私は、俯き唇を噛みしめて誹謗をやり過ごすしか術がありません。ディアナのように正々堂々と意見出来たらいいのに。せめて、軽く受け流すことが出来れば……
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