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「それにディアナ様とは幼馴染でいらっしゃるなんて、羨ましいですわ」
もう一人の令嬢がキラキラとした瞳で見つめてくる。
そうね。
ディアナは公爵家と引けを取らないくらいの高貴な家柄。王家の血を引く彼女にはみんな敬意を払う。
「そういえば、ディアナはルナ・テラスへは初めて来たと言っていましたわね。ですから、びっくりしましたのよ。ディアナのような名家の令嬢でも入れないお店があるのかと。憧れのお店に連れてきてくれて感謝しているとも言っていましたわね」
「まあ。そうなんですの? ディアナ様でも入れないお店があるなんて」
目を丸くして驚きを隠せない表情で口にする令嬢達。
そうよ。そうなのよ。
どんなに高貴な血筋でも名家でも、わたくしが紹介しないとあのお店には入れないのですわ。
ふふっ。
また連れて行ってあげようかしら。
ケーキのお代わりをするくらいですものね。とても気に入ったのだと思うわ。そうしたら、また感激して感謝するでしょう?
楽しみだわ。
「やはり、ビビアン様は尊いお方ですわね。今までもそうでしたけど、ますますその気持ちが強くなりましたわ」
みんな一斉に、女神を崇めるがごとく指を組み首を垂れてしまいましたわ。
困ったわ。
わたくしは人間であって女神ではないというのに。崇拝の対象ではございませんわよ。
でも、皆さん、よく分かっていらっしゃいますわね。
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