36 気づいた思い

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「フローラ様、少し御痩せになりましたか?」  気遣う声にハッと顔を上げました。  心配そうな声で話しかけたのはエルザ。    日常になってしまったリッキー様の学習後の西の宮でのお茶会。ディアナからもらったドレスに着替えるのもお馴染みの習慣になりました。  ディアナのスタイルとほとんど変わらないのでお直しはほとんどないのですが、ウエスト辺りが少しだけ余っているようです。ウエストだけではなく全体的に余裕がありました。  痩せた。  あの一件から、食欲がなくなって食べる量が減ったのは自覚としてありました。その上に新店舗の立ち上げが本格化して忙しくなったのも一因です。時間を捻出するために削ったのが食事の時間でした。  なんとなく気づいてはいたのですが、邸では誰もこのことについて触れる者はいなかったので、気にしていませんでした。  そういえば、やたらとお茶の時間が増えていたような気がするわ。仕事をしながらでもよいからと軽食を用意してくれていたことを思い出しました。口には出さなくてもみんな気にかけてくれていたのね。 「最近忙しくて動き回っていたから、そのせいかも……大丈夫よ」  私の身を案じてか、エルザの顔が曇っています。  痩せたのは忙しさのせい。
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