36 気づいた思い

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 すべてが終わると大きな鏡の前で全身をチェックします。ドレスの裾を整えたり髪飾りの位置を調整したり360度くまなく確認していると 「これはどうでしょうか」  ケイトが手にしていたのは真っ白なシルクのリボン。 「あら、いいわね」  少しぶかぶかだったウエストにリボンを巻いて、後ろにふんわりと蝶々結びをして着付けの出来上がりです。結んだリボンがアクセントになって体型が目立たなくなりました。  それに、顔色の悪さを暖色系のドレスとお化粧でカバーしてくれたので、見栄えもよくなったような気がします。 「フローラ様、おきれいです」  侍女達のため息交じりの感嘆の声にお世辞だとわかってはいますが、ちょっと照れてしまいました。 「皆さんのおかげよ。ありがとう」  エルザが涙ぐんでいます。ルーシーにケイトも。  私、泣かせるようなことを言ったかしら? お礼を言っただけなのに…… 「あの……エルザ。ルーシーもケイトもどうしたの?」 「なんでもございません。いろいろと想像してしまい、私情が出てしまいました。フローラ様はお気になさらずに」  私情? よくわかりませんが、あまり追及しない方がよいのでしょうね。    「フローラ様、参りましょう」  エルザに先導されてレイ様の待つ部屋へと歩いて行きました。 
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